なんだ、

なんだ、この殺伐とした気持ちは。

長く続いた不安をやっと切り抜けたのだから

もっと喜んでいいはずだし、喜ぶと思っていたのに、この冷静さはなんだ。

笑顔のひとつもでない。

私の心は壊れてしまっているのかな。

指針はマイナスの方向にしか反応を示さない。

何にも興味や好意を抱かない。

この状況を、深刻には捉えていないけれど、もしかしたら心が故障しているのかもしれないという思いがよぎる。

もしかしたら、まずい。のかもしれない。

でも、だからといってどうすることもできないし、どうしていいのかわからない。

何をすべきなのかもわからない。

このままだとどうなるのかもわからない。

夢の中で、私は霧の中にいる。

霧に覆われた空はおぼろげで、清々しさを感じることができないけれど、その霧の中はなぜかとても心地よい。

あの日見た海に似ている。

曇天の下に広がる、波の立たない静かな海。

どこまでも広がっている。ずっと奥まで。見えなくなるまで。

帰りたい。日本海の海が見たい。

あの海に、深く深く抱かれて沈んでゆきたい。

もう心が動かなくても、いいように、

もう私は何者でもありたくない。