私
私はなにをしていたんだろう。
と、考えればなにもしていなかった
ずっと怖い怖いと言ってそこから動かなかった
そうしている間に
みんなは恐れながらも、好奇心を機動力にして前に前に進んでいく
私は平凡な道を歩む、面白くもないが危険もない。
好きなものはあった。でもそれを手に入れようとしなかった。
そうして今、なにが好きだったのか忘れた。
けれどやっぱり、まだみんなの背中を見つめてしまう。
失った時間は取り戻されないし、もうみんなには追いつけないのかもしれない
私はあまりにも時間を無駄にしすぎた。
けれど、今からでも私が前に進もうという気持ちがあるなら
一生をかけてでも彼らを追い抜いてみせたい
少なくとも自分という人間にこれ以上、負けたくない。
私は私は私はと言い続けた、その私という固定概念のようなもの
曖昧なもの、呪いのうようにつきまとう私というものを
捨ててしまわなければならない。
私は辛い、私は怖い、私はやりたくない、私は、
23年かけて作り上げた私という人間を一度忘れてしまおう。
忘れられなくても、忘れられることにしよう。
そして私はいつか他の誰よりも美しいものをつくろう。
恐れ が私の足をずっと掴み放さなかった。それはつまり
恐れ を振り払うことができれば、私は前に進める。